(出典:AcrossProtocol)
Across Protocolのクロスチェーンブリッジコミュニティは、最近「The Bridge Across」と題したガバナンス提案を発表しました。中心となる議題は、現在のトークン中心のガバナンスモデルを、ACX保有者が株式やバイバックメカニズムを通じて今後の開発へ参加できる従来型の企業構造へ移行すべきかという点です。
現段階では、この提案は「温度感チェック」としてコミュニティの意見を集めるためのものです。今後の進展には正式なガバナンス投票が必要となります。
Acrossのコア開発チームであるRisk Labsは、4年以上にわたりAcrossプロトコルの開発を続け、以下のような技術革新を実現してきました。
クロスチェーンIntentアーキテクチャの開発
クロスチェーンブリッジの取引時間を約2秒に短縮
業界をリードする複数のプロジェクトとの提携
DAOおよびトークンガバナンスモデルのもと、ACX保有者はプロトコル開発に直接関与し、統合やコラボレーションの機会が生まれています。
チームは、プロトコルが機関や企業と連携を進める中で、DAOやトークン構造が契約締結や収益分配の面で進捗の妨げとなる場合があると指摘しています。
提案では、正式な法人設立が以下のような運用上の課題解決につながるとしています。
法的拘束力のある商業契約の締結
明確な収益分配メカニズムの確立
機関投資家とのパートナーシップ推進
また、ACXの現時点での市場評価がプロトコルの本来の価値を反映していない可能性があるとし、新たな構造によってさらなる成長機会の創出を目指しています。
承認された場合、仮称AcrossCoという新たな米国C-Corpの設立が計画されています。
この構造のもとで:
AcrossCoがプロトコル関連の知的財産を保有
企業がプロダクト開発、事業提携、運営を管理
プロトコル自体の運用は継続
ACX保有者は2つの選択肢から選ぶことができます。
1つ目の選択肢は、ACXトークンをAcrossCoの株式(またはSPVユニット)へ1:1の比率で転換できるものです。たとえば1,000 ACXを保有していれば、1,000株のAcrossCo株式(またはSPVユニット)を取得できます。機関投資家、チームメンバー、個人トークン保有者を含むすべての保有者が同一条件で参加します。
保有数ごとの対応は以下の通りです:
500万ACX超の保有者:直接株式転換
500万ACX未満の保有者:SPV(特別目的会社)経由での参加
SPV方式の最低交換基準は250,000 ACX(約$10,000)に設定されており、法的・事務的要件を満たすためのものです。
また、米国証券法により投資家数や資格に制限があり、たとえば:
米国投資家は「適格投資家」である必要がある
SPVは米国投資家約100名、非米国投資家約500名まで受け入れ可能
株式転換を希望しない保有者は、ACXトークンの売却を選択できます。
バイバック条件は以下の通りです:
バイバック価格:1 ACXあたり$0.04375
直近30日間の平均価格に対し25%のプレミアム
支払方法:USD Coin
バイバック資金はAcross Protocolの流動資産から拠出されます。
バイバック受付期間は6か月間を予定しており、提案承認後3か月以内に開始される見込みです。
提案では、構造転換後もAcross Protocolの運用が継続されることが強調されています。
移行期間中は:
1. 対象ACX保有者がトークンの交換または売却を選択可能
2. 新たな企業構造が段階的に確立
3. プロトコル開発と運用は継続
チームは、このモデルがトークンガバナンスからより成熟した組織構造への移行というWeb3プロトコルの新たなパラダイムとなる可能性があると考えています。
現時点でのガバナンスプロセスは以下の通り計画されています:
3月11日:コミュニティフォーラムで提案公開
3月18日:コミュニティQ&Aコール
3月25日:温度感チェックディスカッション終了
3月26日:正式提案をSnapshot投票に提出
4月2日:投票結果発表
4月3日:承認された場合、法務・技術面の準備開始
その後3か月以内に、ACX保有者はトークンの交換または売却を選択可能です。
提案はまだ初期の議論段階にあります。Risk Labsは、コミュニティディスカッションを通じて多様な意見を集め、この転換案の強み・弱み・長期的な影響を評価し、最終的な実施はコミュニティのガバナンス投票の結果に依存すると述べています。
本提案は、Web3プロトコルが開発の過程で直面する構造的課題、すなわち分散化と機関連携・商業的実現性のバランスの取り方を浮き彫りにしています。株式転換とトークンバイバックの両方の選択肢を用意することで、AcrossチームはACX保有者に多様な参加方法を提供し、今後の成長に向けた新たな組織基盤の確立を目指しています。コミュニティディスカッションが進む中、最終決定はガバナンス投票に委ねられ、このプロセスはWeb3プロトコルが新たなガバナンスモデルを模索する上で重要な事例となる可能性があります。





