スワップとは何か、実際にはどういうもので、そのためにそのようなレートが設定されているのか

スワップは初心者トレーダーが簡単に見落としがちなコストの一つですが、夜をまたいでポジションを保持するたびに静かに利益を削っていく可能性があります。スワップとは何かを知らない方は、借りた資金で取引する際に発生する金利と考えてみてください。これを理解すれば、より効果的に取引計画を立てることができ、気付かないうちに利益を奪う隠れコストに悩まされることもなくなります。

取引の隠れコストが原因で損失を招く

投資家は取引においてスプレッドや手数料など明確に見えるコストだけでなく、スワップと呼ばれる隠れたコストとも向き合わなければなりません。特に初心者トレーダーはスワップの重要性を理解していないことが多く、純利益の計算において重要な要素となることを見落としがちです。

ポジションを翌日以降も持ち越す(市場が閉まっている時間をまたぐ)場合、ブローカーはスワップを計算します。これは、取引している二つの通貨間の金利差や、その他資産の金融コストに基づいています。

金利の両側が取引の核心

スワップの仕組みは複雑に見えますが、その根底には「金利差」(Interest Rate Differential)という概念があります。特にFX取引においては、次のように理解できます。

例えば、EUR/USDの通貨ペアを取引している場合、実際には一方の通貨を「借りて」もう一方を「買って」いる状態です。

  • Buy EUR/USDの場合:EURを買い、USDを借りて支払う
  • Sell EUR/USDの場合:EURを売り、USDを買い戻す(または借りて売る)

世界中の主要通貨はそれぞれに金利政策を持ち、米ドル(USD)はFRB、ユーロ(EUR)はECBが金利を設定しています。

通貨を借りると、その通貨の金利を支払う義務が生じます。逆に、保有している通貨には金利収入が得られるため、金利差がスワップの実態となります。

金利差の計算例

仮にユーロの金利が年4.0%、米ドルが年5.0%の場合、

  • Buy EUR/USD(EURを買いUSDを借りる): EURの金利(4.0%)は得られるが、USDの金利(5.0%)は支払う必要があり、差は-1.0%(年率)となるため、スワップはマイナスになります。

  • Sell EUR/USD(EURを借りてUSDを買う): USDの金利(5.0%)は得られ、EURの金利(4.0%)は支払うため、差は+1.0%、スワップはプラスとなる。

実際のプラットフォーム上の数字へ

実務では、ブローカーはこの金利差に加え、管理手数料やマークアップをスワップに上乗せします。理論上プラスのスワップを得られるはずが、実際にはその一部が差し引かれ、場合によっては両方の側でマイナスになることもあります。

したがって、ロング(買い)とショート(売り)のスワップは常に一致しません。

他の資産のスワップ

  • 株式・指数:通貨の金利に基づき、買い付けた通貨の金利からコストを差し引いた値になることが多いです。
  • コモディティ(金・原油):保管コストやロールオーバー(先物の期限切れから次の期限へ移行)に基づくこともあります。
  • 暗号資産(Crypto):取引所のFunding Rateに連動し、変動が激しいです。

重要な計算方法

プラットフォーム上でスワップを計算し、実際にいくらかかるのかを理解するには、次の2つの方法があります。

方法1:MT4/MT5のポイント(Points)単位で計算

標準ロット(100,000通貨)あたりの計算式は、

スワップ(通貨)=(スワップレート in Points)×(1ポイントの価値)

例:EUR/USDのロングスワップが-8.5ポイントの場合、

  • 1ロットの1ポイントの価値は$1 USD(例示)
  • 計算:-8.5 × $1 = -8.5 USD

これを夜間持ち越すと、1日あたりのコストは-8.5 USDとなり、週末の3日間(木曜夜から金曜夜まで)では-25.5 USDとなる。

方法2:資産価値に対するパーセンテージ(%)で計算

より直感的な方法です。

スワップ(USD)=(ポジションの総額)×(スワップ率%)

例:EUR/USDを1ロット(100,000通貨)で買い、スワップレートが-0.008%の場合、

  • ポジションの総額:1 × 100,000 × 1.0900 = 109,000 USD
  • スワップコスト:109,000 × (-0.008 / 100) = -8.72 USD

これを3日間持ち越すと、-8.72 × 3 = -26.16 USDとなる。

重要ポイント

  • スワップは証拠金(マージン)ではなく、ポジションの「総額」に対して計算される。
  • レバレッジをかけている場合、実際のコストは証拠金に対しての割合ではなく、ポジションの総額に対して計算されるため、コストの比率が高くなる。

3日間のスワップと計算タイミング

通常、スワップは1日1回計算されますが、週末は3日分(木曜夜から土曜夜まで)をまとめて計算します。特に水曜日の夜は、木曜と金曜の分を含めて3倍のスワップが発生します。

これは、土日も市場は閉まっていますが、金利は継続しているため、ブローカーは週末分の金利差をまとめて計算し、木曜夜に反映させるためです。

重要なスワップの種類

  • プラススワップ:毎晩少額ながら資金が増える状態。金利差が大きい場合に起こる。
  • マイナススワップ:毎晩資金が減る状態。一般的にはこちらが多い。
  • ロング(買い)とショート(売り)のスワップ:取引方向によって異なる。

キャリートレードとスワップフリー口座

  • キャリートレード:金利差を利用して利益を狙う戦略。低金利通貨を借りて高金利通貨を買い、スワップのプラスを享受する。
  • スワップフリー口座:イスラム法に基づき、金利差に関わる手数料やスワップを発生させない口座。長期保有や宗教的理由で利用される。

リスク管理と計画

  • 事前にスワップコストを計算し、長期保有のコストを把握する。
  • 週末や3日間のスワップ負担を考慮し、ポジションを調整。
  • レバレッジを適切に設定し、過剰なコスト負担を避ける。
  • 長期取引の場合はスワップフリー口座の利用も検討。

まとめ

スワップは借入金利差に基づくコストまたは収益であり、資産や通貨ペアの金利差から生じるものです。短期取引ではほとんど影響ありませんが、長期保有や高レバレッジの取引では無視できないコストとなります。

利益を最大化し、コストを抑えるためには、スワップの仕組みと計算方法を理解し、適切な戦略と口座選びを行うことが重要です。透明性の高いブローカーと正確な情報をもとに計画的に取引を進めましょう。

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