AUD/NZDは1.1100以下での推移を続け、RBNZの利下げサイクルがカナダドルに圧力をかける

AUD/NZD通貨ペアは、木曜日に記録した6ヶ月ぶりの高値1.1131から後退し、早朝のアジア市場では1.1110付近で取引されています。この調整は、両通貨間のダイナミクスの変化を反映しており、それぞれの中央銀行からの金融政策シグナルの乖離によるものです。

RBNZの緩和サイクルがニュージーランドドルに圧力

ニュージーランドドルは、ニュージーランド準備銀行（RBNZ）の最近の政策金利引き下げとハト派寄りのガイダンスを受けて、上昇圧力が高まっています。RBNZ総裁のクリスチャン・ホークスビーは、国内外の経済成長に懸念を示し、追加の利下げの可能性を示唆しました。政策当局者によると、企業や消費者がリスク回避を続け、追加の支援策を求める場合、さらなる金融緩和が必要となる可能性があります。このハト派的なトーンは、トレーダーが継続的な政策緩和の可能性を織り込み、NZDに圧力をかけ続けています。

オーストラリアドルはインフレデータとRBAのメッセージで支えられる

一方、オーストラリアドルは、経済指標の混在と中央銀行のコミュニケーションを受けて、底堅さを見せています。7月のオーストラリアの消費者物価指数（CPI）は前年比2.8%上昇し、前回の1.9%や市場予想の2.3%を上回り、持続的なインフレ圧力を示唆しています。この予想外に強いインフレ指標は、オーストラリア準備銀行（RBA）による即時の利下げ期待を和らげました。

RBAの8月会合議事録では、理事会メンバーが今後1年以内に追加の現金金利引き下げが必要になる可能性を示しましたが、そのタイミングは一部の市場参加者が予想したよりも慎重なものとなっています。一方、オーストラリアの民間資本支出は第2四半期に0.2%増加し、予測の0.7%拡大には及びませんでしたが、前四半期の0.1%縮小から改善しています。

通貨クロス見通し

AUD/NZDペアの1.1100付近での安定は、よりハト派的なRBNZと比較的タカ派的なRBAの相互作用を反映しています。ニュージーランド準備銀行が複数回の利下げを示唆する一方で、RBAは緩和姿勢に対してより慎重な姿勢を維持しているため、オーストラリアドルは相対的な強さを保つ可能性が高いです。より広範な通貨市場を監視する投資家にとって、250米ドル対オーストラリアドルの為替レートや地域通貨ペアの分析においても、AUD/NZDの乖離は、アジア太平洋地域における中央銀行の方針の違いが通貨ダイナミクスにどのように影響しているかを示す好例です。

主要通貨ペアにおけるAUDのパフォーマンス

オーストラリアドルの他の主要通貨に対するパフォーマンスはまちまちです。ドルに対してはわずかに堅調で、ニュージーランドドルに対しては0.07%上昇しましたが、日本円に対しては0.15%下落しました。米ドルに対しては、連邦準備制度の政策懸念からドルがやや上昇し、0.04%の上昇となっています。JPYに対して相対的に弱いのは、継続する市場の不安定さの中で円の安全資産としての魅力が高まっているためです。