オーストラリアドル、FRBの利下げ期待後退とRBAのハト派的シグナル増加により、新たな逆風に直面

AUDはUSDに対して6日連続の弱含みを続け、市場参加者が両中央銀行の金融政策の乖離を再評価しています。 オーストラリア準備銀行(RBA)が2月にも利上げを行う可能性が高まるとの市場の確信が高まる一方で、通貨の安定にはつながっていません。 一方、米ドルは2026年までの連邦準備制度の緩和期待の後退により恩恵を受けています。

木曜日、オーストラリアドルは米ドルに対して下落傾向を続けており、理論的にはRBAの引き締め姿勢を支持すべきインフレデータにもかかわらず、足場を見つけるのに苦戦しています。市場は2025年初頭にRBAの利上げの可能性を織り込むようになっていますが、これがオーストラリアドルの通貨強化にはつながっていません。

原因は、世界的な金融環境の再評価にあるようです。オーストラリアの消費者インフレ期待は12月に4.7%に上昇し、11月の3か月低値4.5%から改善しましたが、これは持続的な価格圧力の兆候です。しかし、FRBの追加利下げを控える姿勢により、これらのシグナルは覆い隠されています。オーストラリア連邦銀行(CBA)とナショナル・オーストラリア銀行(NAB)はともに、経済の能力制約による頑固なインフレを理由に、利上げのタイムラインを早めに修正しています。

スワップ市場は、2月のRBAの利上げ確率を28%、3月を約41%と見積もっています。8月には引き締めの織り込みがほぼ完了しています。

FRBの慎重な姿勢がドル買いを支える

米ドル指数は、6つの主要通貨に対するドルのパフォーマンスを示し、98.40付近で安定しています。FRBが来年の追加利下げを見送る姿勢は、通貨に安定した支援をもたらしています。

11月の雇用統計はまちまちで、非農業部門の雇用者数は64K増と予想をやや上回ったものの、10月の数字は大きく下方修正され、失業率は4.6%に上昇し、2021年以来の高水準となっています。FRB当局は、さらなる金融緩和の必要性について意見が分かれており、2026年には1回の利下げのみを見込む中、政策決定者の中には追加の利下げを全く行わない意見もあります。一方、トレーダーは来年に2回の利下げを織り込んでいます。

アトランタ連邦準備銀行のラファエル・ボスティック総裁は火曜日、労働市場のデータは政策対応を必要としないと示唆し、金利を据え置く方針を支持しました。彼は、複数の調査結果が高いコスト圧力と企業の利益確保のための価格引き上げ意欲を示していると指摘しています。ボスティックは、「価格圧力は関税の影響だけにとどまらず、FRBは勝利宣言を急ぐべきではない」と述べました。

CME FedWatchのデータによると、1月のFRB会合での金利据え置き確率は74.4%で、1週間前の約70%から上昇しています。

アジア太平洋経済のシグナルはまちまちの状況

中国の11月小売売上高は期待の2.9%に対し1.3%増にとどまりました。工業生産は前年比4.8%増とやや予想の5.0%を下回り、固定資産投資は年初から2.6%減少し、予想の-2.3%を下回りました。

国内では、オーストラリアの12月の製造業PMIは51.6から52.2に上昇した一方、サービス業PMIは52.8から51.0に軟化し、総合指数は52.6から51.1に縮小しました。失業率は11月も4.3%で横ばいで、予想の4.4%を下回りましたが、前月の雇用者数は21.3K減少しました。

テクニカル分析はさらなるAUDの下落リスクを示唆

AUD/USDは木曜日に重要な0.6600のコンフルエンスゾーンを下回りました。テクニカル分析では、ペアは上昇チャネルのトレンドラインの下に位置しており、強気の勢いが弱まっていることを示しています。9日移動平均線を下回る動きは、短期的な価格動向の弱さを反映しています。

下落リスクは心理的な0.6500レベルに向かっており、6か月の安値0.6414(8月21日に設定)には、投げ売りの可能性が示唆されています。上昇抵抗は0.6619の9日EMA付近にあり、その後、3か月高値の0.6685が続きます。これを超えると、2024年10月以来のピークである0.6707を目指し、その後、上昇チャネルの上限付近の0.6760を試す展開となるでしょう。

USD対CADの動きを注視するトレーダーにとって、米ドルの新興市場通貨に対する強さは、リスクオフの環境とFRBの金利停止期待が2026年まで続くことを反映しています。

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