## CorceptのRelacorilant併用療法が卵巣癌治療の第3相臨床試験に進展



### 有望な第2相データが重要な試験登録に向けた動きを後押し

Corcept Therapeuticsは、その腫瘍学開発パイプラインにおいて重要なマイルストーンを発表しました。同社は、再発性白金抵抗性卵巣癌と診断された患者を対象に、relacorilantとnab-paclitaxelの併用療法の重要な第3相試験を開始します。この決定は、米食品医薬品局(FDA)との詳細な協議に基づき、初期段階の調査から得られた有望な結果を踏まえたものです。

今後の試験はROSELLAと命名されており、この治療法の規制承認および商品化に向けた重要な一歩となります。Corceptの最高開発責任者によると、試験の設計は、前段階の第2相研究で観察された良好なシグナルを再現しつつ、FDAの指導者や婦人科腫瘍学の第一線の専門家からのフィードバックを取り入れて慎重に調整されています。

### 第2相証拠が臨床的利益を示す

Corceptの第2相調査から得られたデータは、ランダム化比較試験に参加した178人の患者を対象に、併用療法の臨床的優位性を明らかにしました。ROSELLAの登録対象となる可能性のある患者のサブセットで、計画された間欠投与スケジュールを用いてrelacorilantを投与した場合、複数の有効性指標において意味のある改善が見られました。

中間無増悪生存期間(PFS)は、relacorilant併用群で7.3ヶ月に延長し、対照群の3.7ヶ月と比較してハザード比は0.40、95%信頼区間は0.21-0.77、p=0.005(となりました。反応持続期間も改善し、中央値は5.6ヶ月対3.1ヶ月であり、ハザード比は0.29、p=0.016)でした。

特に注目すべきは、全生存期間(OS)が併用療法群で17.9ヶ月に達し、nab-paclitaxel単剤の12.6ヶ月と比較してハザード比は0.38、p=0.011(となった点です。これらの改善は、副作用の頻度や重篤度を増加させることなく達成されており、安全性プロファイルは良好と考えられます。

) ROSELLA試験の枠組みと患者集団

第3相試験では、約360人の女性を1:1の割合でランダムに割り付け、relacorilantとnab-paclitaxelの併用療法またはnab-paclitaxel単独を投与します。主要な効果指標は無増悪生存期間(PFS)とし、全生存期間(OS)も重要な副次的評価項目として追跡します。

重要なのは、登録されたすべての患者が以前にbevacizumab療法を受けていることです。これは、米国におけるこの患者集団の標準治療アルゴリズムを反映しています。また、一次白金抵抗性疾患の患者や、3回以上の治療歴のある患者は除外されます。これらの患者は、予後が非常に不良とされるためです。

(作用機序と治療の根拠

Relacorilantは、選択的かつ非ステロイド性のグルココルチコイド受容体調節薬であり、他のホルモン受容体システムと相互作用しません。このアプローチの根底にあるメカニズムの理論は、コルチゾールの活動が特定の抗がん療法の効果を低減させる可能性があるという仮説に基づいています。多くの悪性腫瘍では、グルココルチコイドシグナルがアポトーシス経路を抑制し、化学療法の活性化を妨げるとともに、免疫監視を抑制することがあります。これは、免疫活性化が有益な場合には不利となるためです。

システム全体のホルモンバランスを乱すことなく、グルココルチコイドの効果を選択的に調節することで、relacorilantは化学療法の効果と免疫機能を高め、臨床結果の改善に寄与する可能性があります。

) 疾患背景と医療上の必要性

白金抵抗性卵巣癌は、特に治療が難しい臨床状況です。白金系化学療法完了後6ヶ月以内に再発する疾患と定義されており、米国では毎年約20,000人の女性が新たな治療選択肢の対象となります。現行の治療環境では選択肢が限られており、再発後の単剤化学療法の中央値全生存期間は12ヶ月以下です。

これまでのところ、この患者集団において標準的な化学療法と比較して実質的な全生存期間の延長を示した承認済みの治療薬はなく、未だ満たされていない医療ニーズが存在します。こうした背景から、relacorilant併用療法の新規アプローチの重要性が高まっています。

### 開発のタイムラインと今後の展望

Corceptは、ROSELLAの登録開始を月末までに予定していると示しました。試験の設計は、第2相調査を踏襲しつつ、規制当局や婦人科腫瘍学の第一線の専門家との協議を経て改良された内容を取り入れています。この連携により、良好な結果が得られた場合には、新薬申請の提出に向けた可能性が高まると期待されています。

同社は、さまざまな腫瘍学的適応症や患者集団においてrelacorilantの開発を継続しており、副腎癌や前立腺癌においても臨床プログラムを進めています。以前の承認例には、クッシング症候群の治療薬Korlymもあり、これにより、同社のグルココルチコイド受容体調節を用いた治療戦略の専門性と実績が証明されています。
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