Genmabは、18億ドルのProfoundBio買収によりがんポートフォリオを強化

バイオテクノロジー企業のGenmabは、臨床段階の抗体薬物複合体((ADC))開発企業のProfoundBioを、全現金取引で18億ドルの評価額で買収する最終合意を発表しました。この取引は、特に固形腫瘍や婦人科がん治療におけるGenmabのオンコロジーパイプラインの大幅な拡大を示しています。

戦略的取引によりGenmabのオンコロジーパイプラインが拡大

この買収により、GenmabはProfoundBioの臨床プログラムに対する世界的権利を獲得します。中でも注目は、次世代のTopo1 ADCであるrinatabart sesutecan (Rina-S)で、現在フェーズ2段階の開発中です。Rina-Sは葉酸受容体α (FRα)を標的とし、卵巣がんや他のFRα発現固形腫瘍の評価が進められています。この化合物は2024年1月に米国FDAからFast Track指定を受けており、プラチナ抵抗性卵巣がん患者の規制承認プロセスを加速させています。

Rina-S以外にも、取引には2つの臨床候補薬と複数の前臨床プログラムが含まれており、Genmabの既存のオンコロジーポートフォリオと技術プラットフォームを補完します。

技術プラットフォームの統合による開発強化

この取引は、ProfoundBioの独自ADC技術プラットフォームと、Genmabの検証済み抗体工学能力を融合させるものです。この組み合わせにより、がん治療の新たな可能性が開かれ、ProfoundBioの現行パイプラインを超えた応用も期待されます。これにより、Genmabは婦人科腫瘍分野でのプレゼンスを深めるとともに、より広範な固形腫瘍の開発基盤を築くことが可能となります。

Genmabの社長兼最高経営責任者のJan van de Winkelは次のように述べています。「この買収は、革新的な抗体医薬品を通じてがん治療を変革するという我々の2030ビジョンと一致しています。ProfoundBioの才能と技術プラットフォームは、患者に差別化された治療を提供する能力を加速させる戦略的なフィットです。」

タイムラインと財務見通し

この取引は、標準的なクロージング条件を満たした上で、2024年上半期に完了する見込みです。両社の取締役会は全会一致でこの取引を承認しました。発表後、GenmabはProfoundBioの臨床プログラムを支援する追加のR&D投資を考慮し、運営費用の見通しを引き上げました。収益見通しはDKK 18.7-20.5 billionのままで、2024年第2四半期の決算発表までに更新された見通しが出される予定です。

この動きの戦略的背景

Rina-Sは、第一世代の選択肢よりも広範な患者層に対応できる次世代のFRα標的ADCとして差別化されています。フェーズ1/2の試験データに基づき、GenmabはRina-Sの開発を複数の卵巣がんサブタイプや他のFRα発現腫瘍に拡大する計画です。このアプローチは、Genmabの精密医療における地位を強化し、二重特異性T細胞エンゲージャー、免疫チェックポイント調節薬、エフェクター強化抗体などの既存パイプラインを補完します。

この買収は、Genmabが内部開発と戦略的パートナーシップの両面から差別化されたパイプラインを構築する長期戦略を反映しています。同社はバイオテクノロジー企業や製薬企業と20以上のパートナーシップを築いており、この取引は優先治療領域でのパイプライン拡大に向けた重要な資本投入を示しています。

Goldman Sachs International、Shearman & Sterling LLP、Simmons & Simmons LLP、Kromann Reumertがこの取引に関してGenmabに助言を行いました。BofA SecuritiesとMorgan StanleyはProfoundBioの財務アドバイザーとして支援し、Cooley LLP、Travers Thorp Alberga、Jun He Law Officesもサポートしています。

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