Teliso-VがFDA審査に進展、AbbVieはc-Met過剰発現肺癌のための加速経路を追求

アッヴィは、米食品医薬品局(FDA)に対して、テリソチズマブ・ベドチン((Teliso-V))の生物学的製剤承認申請((BLA))を提出し、進行した非小細胞肺癌((NSCLC))の未だ十分に対応されていなかった患者集団に対する迅速承認を求めています。この申請は、局所進行または転移性疾患を有し、初期治療を使い果たした成人患者で、特定のc-Metタンパク質過剰発現の特徴を持つ患者を対象としています。

未充足の医療課題への対応

非小細胞肺癌は全肺癌診断の約85%を占めますが、依然として世界的に癌関連死亡の主要な原因です。この患者群の中で、EGFR野生型の非扁平上皮性NSCLC患者の約25%がc-Metタンパク質過剰発現を示し、これは攻撃的な疾患進行と臨床成績不良と強く関連付けられる分子マーカーです。現時点では、このc-Met駆動型集団に特化した抗癌治療は存在せず、テリソチズマブ・ベドチンは第一級の治療薬となる可能性があります。

c-Met受容体は、タイロシンキナーゼの一種で、固形腫瘍でしばしば異常に調節され、特定の肺癌サブタイプにおいて制御不能な細胞増殖の重要な推進因子として機能します。この分子シグネチャーを持つ腫瘍を有する患者は、標準的な化学療法や標的療法後の治療選択肢が非常に限られ、実質的な治療ギャップを生じています。

製品の作用機序と設計戦略

テリソチズマブ・ベドチン((ADC))は、標的治療のために設計された抗体薬物複合体((ADC))であり、c-Met過剰発現腫瘍細胞を認識し排除することを目的としています。この標的型アプローチにより、c-Metレベルの高い癌細胞に選択的に結合し、全身曝露を最小限に抑えることが可能となる、現代のADCプラットフォーム技術の特徴を備えています。

2021年12月のFDAによるブレイクスルー治療指定は、テリソチズマブ・ベドチンのこの患者集団における臨床的意義の可能性を規制当局が認めたことを示しています。オンコロジーセンター・オブ・エクセレンスのリアルタイム・オンコロジー・レビュー((RTOR))プログラムによる迅速審査は、安全性と有効性の厳格な審査を維持しつつ、評価を加速します。

BLA提出を支える臨床証拠

このBLA申請は、c-Met過剰発現NSCLC集団におけるテリソチズマブ・ベドチンの安全性と治療効果を評価するための進行中の第2相臨床試験「LUMINOSITY」((Study M14-239))のデータに基づいています。2024年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)での最新のデータ発表では、2023年に明らかになった予備的な結果とともに、効果の指標が示されました。

LUMINOSITYの研究設計は、c-Met過剰発現を有するNSCLC患者の中で、テリソチズマブ・ベドチン単独療法から最適な利益を得られる集団を特定します。主要評価項目には、全反応率((ORR))、反応持続期間((DoR))、疾患制御率((DCR))、無進行生存期間((PFS))が含まれ、これらは独立した中央評価によって評価されます。また、全生存期間(OS)も併せて評価されます。

並行して、世界中で患者登録を進めている第3相臨床試験「TeliMET NSCLC-01」により、以前治療を受けたc-Met過剰発現NSCLC患者におけるテリソチズマブ・ベドチンの単剤療法の有効性がさらに確立されつつあります。

腫瘍学における戦略的位置付け

アッヴィの研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼最高科学責任者のローパル・タッカー博士は、NSCLC患者の予後が限られる中、差別化された治療選択肢を求める腫瘍医の緊急性を指摘しました。同社は、テリソチズマブ・ベドチンを、組織学的パターンだけでなく分子特性によって定義される特定の患者集団において、ケアの水準を向上させる潜在的な治療進歩と見なしています。

アッヴィの腫瘍学戦略は、血液癌および固形腫瘍における標的医薬品の開発に重点を置いています。現在、20以上の研究中の分子を評価し、広範な悪性腫瘍に対する臨床試験を進めています。治療ツールキットは、抗体薬物複合体、免疫腫瘍学薬剤、バイ特異性抗体、CAR-T細胞療法など、多様なプラットフォームを網羅し、それぞれが癌細胞の増殖抑制や排除を目的としています。

規制の道筋と今後の展望

FDAは、オンコロジーセンター・オブ・エクセレンスの専門的な審査を通じてBLAの審査を行い、Promise Oncology Review(RTOR)の手続きを適用します。この経路は、迅速なアクセスと安全性の包括的評価の両立を図るものです。詳細な臨床試験登録情報は、www.clinicaltrials.gov から入手可能です。

規制承認が得られた場合、テリソチズマブ・ベドチンは、NSCLCにおいてc-Met過剰発現を標的とした最初の承認薬となり、腫瘍のこの分子シグネチャーを示す患者の治療選択肢を大きく変える可能性があります。

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