ビットコイン、イーサリアム、XRPが5%暴落！暗号全体の時価総額が3.1兆ドルを割る

暗号通貨市場は12月中旬に下落傾向を維持し、ビットコインはアジア取引時間帯に85,800ドル付近まで下落、これに伴いイーサリアムとXRPは週次で5％超の下落を記録しました。暗号通貨の総時価総額はわずかに減少し、約3.06兆ドルとなり、今週の累積下落率は2％超です。この売りは、投資家が米国の重要な経済指標の発表を待つ中で起きており、暗号通貨の恐怖・欲求指数は16に低下し、過去三週間で最低水準となっています。

年末効果による流動性危機

（出典：BitInfoCharts）

12月は通常、流動性が低下しやすい時期であり、年末に向けてトレーダーがポジションを調整するため、価格の変動幅が大きくなることがあります。今年はこの季節的特徴が特に顕著であり、ビットコイン、イーサリアム、XRPの同期した下落は、市場で大規模な資金引き揚げが起こっていることを示しており、単一のトークンだけが影響を受けているわけではありません。Solanaは126ドルに下落し、Dogecoinは0.129ドルに落ち込み、主要な通貨すべての週次下落率は5％超です。

FxProのチーフマーケットアナリスト、Alex Kuptsikevichは電子メールで次のように述べています：「上昇トレンドから横ばいのサポートに変わることは、買い手にとって好材料ではありません。11月下旬以降の売り圧力は短期的な構造を崩し、市場は現在調整局面にあり、下落リスクは依然として存在しています。」

Binanceリサーチによると、過去30日間で暗号通貨の時価総額は約15％減少しました。過去10日間にわたり、市場は何度も3兆ドルのラインを維持しましたが、アナリストは、上昇トレンドから横ばいに移行していることは、市場の勢いが弱まっていることを示し、強い反発ではないと指摘しています。明確なきっかけがなくても、市場は長期的にパニック状態にあり、これは過去の市場サイクルの終盤に見られる周期的な軟化と一致します。

世界的リスク資産の連動下落

暗号通貨市場の弱さは孤立した現象ではなく、世界的なリスク資産の全般的な弱含みの一部です。アジア株式市場は大幅に下落し、MSCIアジア太平洋指数は1.3％下落、米国株式先物も火曜日に公表予定の11月雇用統計前に軟化しています。この報告は労働市場の冷却を示すと予想されています。ドルは2か月ぶりの安値圏で推移し、円はドルに対して約155円まで強含み、投資家は今週後半に日本銀行が金利を引き上げると広く見込んでいます。

このグローバルな市場の連動効果は、ビットコイン、イーサリアム、XRPの下落が暗号市場内部の要因だけでなく、マクロ経済の不確実性による影響もあることを示しています。投資家は重要な経済データの発表前にリスクエクスポージャーを減らす傾向があり、暗号通貨は高リスク資産として最も影響を受けやすいです。

三大通貨のテクニカル比較

ビットコイン：今週初めに87,500ドルを一時割り込み、9万ドル付近に回復しましたが、全体的な技術的状況は悪化しています。FxProのアナリストは、「最も可能性の高いシナリオは、価格が81,000ドル付近に下落することです」と述べています。

イーサリアム：3,000ドルの心理的抵抗線を割り込み、2,930ドルまで下落し、週次でビットコインと同等の下落率を示しています。これにより、主要通貨間の高い相関性が示されました。

XRP：週次で5％超の下落を記録し、三大通貨の中で最も弱いパフォーマンスを見せ、1.87ドルに下落しています。技術的サポートレベルはより大きな試練に直面しています。

市場センチメント指標の警告サイン

暗号通貨の恐怖・欲求指数は16に低下し、過去三週間の最低水準となり、市場は極度に慎重な状態を反映しています。この指数は、ボラティリティ、市場動き、ソーシャルメディアの感情、ビットコインの支配率、グーグル検索トレンドなど複数の側面を総合して算出されており、値が低いほど恐怖感が高まります。現在の16の数値は、市場が極度に恐怖していることを示しており、投資家は防御的な戦略を取っています。

市場の予測もより慎重な見方を反映しています。Kalshiプラットフォームの多くのユーザーは、年末までのビットコイン価格が10万ドル未満になると予想しており、その突破確率は23％に過ぎません。この見通しは、数週間前のビットコインが史上最高値を突破すると楽観的に見ていた市場の予測とは対照的です。わずか数週間で、市場の感情は貪欲から恐怖へと急激に変化し、投資家の信頼の崩壊を示しています。

しかしながら、価格が軟調であるにもかかわらず、機関資金の暗号通貨ETFへの流入は依然として強力であり、投資家が長期投資を志向していることを示しています。この機関投資家と個人投資家の行動の乖離が、現在の市場理解の鍵となる可能性があります。機関投資家は市場のパニック時に逆張りで買いを行い、個人投資家は追いかけて売りを行う傾向があります。

81,000ドルがビットコインの重要な防衛ライン

技術的観点から見ると、ビットコイン、イーサリアム、XRPはすべて重要なサポートラインの試練に直面しています。FxProのアナリストは、「ビットコインの最有力シナリオは、価格が81,000ドルに下落することですが、売り圧力が緩和すれば、一定期間のレンジ相場に入る可能性もある」と指摘しています。81,000ドルは、複数のテクニカル要因が集約されたポイントです。

もしビットコインが81,000ドルを割り込めば、連鎖的にイーサリアムやXRPもさらに下落する可能性があります。イーサリアムの次の重要なサポートは2,800ドル付近、XRPは1.75ドルを試す展開となるかもしれません。より広範な指標は、市場がより深い調整局面に入りつつあることを示唆しており、一時的な反発ではなく、より大きな調整の兆しを示しています。