## LosmapimodはFSHD治療において具体的な臨床効果を示す:Fulcrum Therapeuticsの第2b相試験データ公開



Fulcrum Therapeuticsは、facioscapulohumeral muscular dystrophy (FSHD)の治療におけるlosmapimodの第2b相臨床試験結果を発表し、その結果は現在*The Lancet Neurology*に掲載されています。データは複数の臨床指標で有望な改善を示しており、この新規治療法がこの稀な進行性筋疾患にどのように対処できるかの理解を深めています。

**試験の設計と患者の属性**

ReDUX4試験には、米国、カナダ、ヨーロッパの各地のサイトでFSHDタイプ1の患者80名が参加しました。18歳から65歳までの患者が、1日2回15 mgのlosmapimodまたはプラセボを48週間服用し、多様な地理的背景を持つ集団からの十分な証拠を提供しました。

**主要な臨床結果**

筋肉組織におけるDUX4駆動遺伝子発現の低減という主要評価項目は、治療群とプラセボ群の間で統計的に有意な差を示しませんでしたが、二次評価項目は異なる結果を示しました。losmapimodを服用した参加者は、FSHDの特徴的な病理的指標である筋肉の脂肪浸潤において測定可能な改善を示しました。さらに、肩甲帯の可動域を評価する機能的指標であるreachable workspaceも治療群で改善し、患者自己報告による全体的な改善評価も積極的な治療を支持しました。

安全性のデータも同様に良好でした。薬剤に起因する重篤な副作用は報告されず、耐容性の問題で中止した参加者もいませんでした。これは長期療法の実現性にとって重要なポイントです。

**薬剤の作用機序と開発経路**

Losmapimodは選択的p38α/βミトゲン活性化タンパクキナーゼ (MAPK))阻害剤として機能します。Fulcrum Therapeuticsは、p38α/βの阻害が異常なDUX4発現を抑制するメカニズムであることを研究により特定し、その後GSKから独占的権利を取得しました。筋ジストロフィーの適応前には、losmapimodはさまざまな疾患の被験者3,600人以上で安全性に問題がないことが確認されています。

**疾患の背景**

FSHDは最も一般的な筋ジストロフィーの一つであり、米国だけでも約30,000人に影響しています。進行性の筋力低下と脂肪沈着は、顔面筋、肩、上肢、下肢に特徴的に現れ、日常生活や移動能力を著しく損ないます。現在、FDAの承認を得た疾患修飾療法はありません。

**規制状況と今後の展望**

FDAは、losmapimodに対してFast Track指定とOrphan Drug指定を付与しています。これらの指定は、この患者集団における未充足の医療ニーズの高さを反映しています。Fulcrum Therapeuticsは、米国、カナダ、ヨーロッパで参加者を募集したREACH試験を通じて、同化合物を第3相評価に進めました。2023年9月に募集を完了し、2024年第4四半期に第3相の主要なデータを発表する予定です。

**臨床および商業的意義**

Fulcrum Therapeuticsの最高医療責任者であるPatrick Horn, M.D., Ph.D.は、第2b相の結果が直接第3相試験の設計と評価項目の選定に影響を与えたと強調しています。同社は、第3相の成功に基づき新薬申請と商業化を進める準備を整えており、FSHDコミュニティにとって潜在的な治療の進展となることを目指しています。
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